心肺運動負荷試験(CPX)について
CPXとは
この検査は、どれだけの運動負荷に耐えられるかを見るものです。
この検査を実施できる方は・・・
- 軽~中等度の心血管病のある患者様
- 生活習慣病(高血圧症、糖尿病、高脂血症、肥満など)のある患者様
で、上記の方々に対して、運動療法を安全に行っていただくために必要な検査です。
検査の方法・流れ
大型のエルゴメータ(エアロバイクのような機器)を使って検査を行います。
- まず、イスに座って、背もたれを倒します。
- 医師、看護師より検査の流れをご説明します。
- マスクをつけ、ペダルに足を固定して、血圧計・心電図をつけ準備します。
- 初めの3分間は安静時のデータを取ります。
- 医師から「今からこいで下さい」との指示があったら、「ピッ、ピッ」という音に合わせて「右・左・・・」とペダルをこぎます。
- ペダルが段々重くなりますが、がんばってこぎ続けます。目標まで到達すると、少しずつペダルが軽くなります。呼吸を整えながら、脈や血圧が安定するまでこぎ続けます。(約1分間)
- 医師から終了の指示があったら、足を止めます。看護師・検査技師がマスク・靴を外します。背もたれを倒し、運動直後・1分後・3分後・5分後の心電図を測定し、運動後の状態を観察します。
- 異常がなければ、これで検査は終了です。医師より、息切れの強さを示す表(ボルグ指数)をお見せします。同時に、一番息が苦しかったときの状況お聞きします。
- 最後に、医師より結果をご説明します。
検査中の注意事項
検査中の会話はできません。ただし、胸が苦しくなったり、気分が悪くなったりした際には、遠慮なくおっしゃってください。
また、大きな深呼吸をしたり、咳払いをすると正確なデータが取れませんので、やむをえない場合以外は極力避けましょう。
検査は心電図モニターと血圧計をつけたまま行います。
何らかの症状がある場合や心拍数や血圧の異常が見られた場合には、検査の途中であっても、医師の判断により中止する場合もあります。
この場合は、素早く応急処置の対応を行います。
検査の安全性
この検査では、約2万回に1回、死亡や意識を失う程の重症不整脈、心筋梗塞などが発生する危険がありますが、それを上回るだけの利点があります。
すなわち・・・
この検査によって、あなたの心臓が日常生活全般において、どの程度の運動まで耐えうるのかを知ることができます。
それにより、適切な運動処方を行い、生活面でのアドバイスや病気に対する治療方針を決定できます。
この検査を元に、日常生活に運動を取り入れてみませんか?